長谷川の教育論[13]

● なぜ、勉強しなければならないのか-この子どもの素朴な疑問に、多くの大人は次のように答える。
-あなたのためよ。-あなたの将来のためよ。-あなたが将来、幸せになるためよ。私はこうした思考を「自己責任症候群」とからめて論じたことがある。ところで、人はよく「幸せになりたい」と言う。結婚式を迎えたカップルが満面の笑みで「私たち、幸せになります」と宣言するのは定番である。ところが文法的に言って、「幸せに-なる」とは使い方を間違えていることに多くの人が気付いていない。
 「-なる」という言葉は、状態変化を表す動詞だ。例えば「病気に-なる」と言った場合、その人はそれまで病気ではなかったことを表している。「四月から社会人に-なる」と言う場合、今は社会人ではなかったことが前提だ。では…
 「幸せに-なる」と宣言している二人は今、幸せではないのか?今は不幸の中にいるのか?…そんなことはないはずだ。
 実は、「幸せ」とは「なる」ものではなく、「気付く」ものなのだ。「幸せに気付く」が正しい使い方だ。今ある幸せに気づき、感謝して生きること…それが真の意味で「幸せに生きること」だ。
 我々はどうしても他者と比較して自分の立場を図ってしまう。自分より豊かな生活をしている人を見て自らの境遇を嘆く…だから不幸なのだ。
 少なくとも子供たちは、愛情溢れるご両親の元に生まれ、育ち、雨露を凌ぐ家があり、三度の食事に困ることもなく、なんと塾にさえ通わしてもらっている。これを幸せと言わずして何が幸せか。
 ご両親もそうである。五体満足で生まれてくれれば…と願った数年前を忘れ、「お片づけができない」「動作が遅い」「勉強しない」「集中力が続かない」…と、他の子どもと比較して我が子を嘆く。そうではなく、今日も元気で学校に行き、「ただいま~」と帰宅し、食事をモリモリと食べてスヤスヤと眠っていることを幸せに思い、愛でていただきたい。そして、「勉強のこと」「成績のこと」「受験のこと」…それらはプロである私に任せてほしい。成績が下がった時、子供を叱るのではなく私を叱ってほしい。なぜなら、それこそが私の使命であり、そこに貢献することが「私の幸せ」なのだから。私を信頼し、通ってくれる子供たち、保護者がいる…その幸せに気付きながら、今日も厳しい夏期講習を実施している。

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