長谷川の教育論[18]

● 夜道に1人で泣いている女児がいる。だが、うっかり声をかけると不審者扱いされて通報されてしまうかも。そう懸念し、女児に話しかけずに警察への連絡にとどめた男性の対応をめぐって、ネットで大激論が交わされている。「安全」な社会を希求するあまり、失ったものがあるのではないか。議論は、日本社会のあり方にまで発展をみた。きっかけとなったのは、ある男性が8日にツイッターへ投稿した「体験談」だった。

 それによると、男性は前日の午後8時ごろ、小学1、2年生ぐらいの女の子が住宅街を泣きながら1人で歩いているのを目撃。迷子と思い声をかけようとしたものの、不審者扱いを危惧して思いとどまり、代わりに110番通報した。応答した担当者から最寄りの交番まで女児を送り届けるよう頼まれたが、誤認逮捕などのトラブルに巻き込まれるリスクが皆無ではないと考えて断り、早く警察官が来るようにと促してその場を立ち去った、という内容だ。

 これに対してネット上では賛否両論の大激論になっているという。

 確かに、子供に対して「知らない人から声を掛けられたら逃げなさい」「知らない人から物をもらわない」と教えている保護者は多い。子供の安全を考えると当然の指導だろう。一方で不審者扱いをされないために、気になる子供を目にしても見ない振りする大人が増えているのも事実だ。誠に悩ましい問題だ。転んで泣いている子供を助け起こし、泣き止むようあやしていると、後から来た母親に「何しているの!」と激怒された事例もある。

 私は思う。不審者と誤解されるのを承知で、泣いている子供がいたら声を掛けてあげられる大人でいたいと。そのことで100人に1人の子どもの安全が守れるならば、甘んじて誤解を受けよう。それが子供たちを指導する者としての矜持だと考える。

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