長谷川の教育論[6]

● モンスターペアレントの対極に、「いい人症候群」は存在する。誰もが他人から「いい人」と思われたい。子供も同じだ。誰かから遊びの誘いを受けたとき、断わることができない。「何だ、付き合いの悪い奴だな」と思われるのが怖い。メールを受信すると、スグに返信しないといけないという脅迫概念に囚われる。それが勉強中だろうが食事中だろうが、行為を中断してまで返信作業に勤しむ。何かが間違っている。
 誰にも嫌われたくないと思っている人は、誰からも好かれない…これは真実である。
 自分の生きる理念を持ち、それを貫いている人の周りには必ず共鳴者が集まる。そうした仲間の中から本当の親友は生まれる。「何だ、付き合いの悪い奴だな…」と離れていく者は、そもそも「あなた」を友人と見ていない。玩具(おもちゃ)だと思っている。玩具だから遊びたい時にそばになければ腹を立てる。過激な物言いをお許しいただければ、「そんな奴は捨てて行け!」だ。
 一度、担任の先生に聞けばよい。「親友と呼べる友達が何人いるか」と。「一人いる人」は幸せ者である。「二人いる人」は人生の成功者である。「三人いる人」は天下が取れる。「五人いると言う人」は…大嘘つき者だ。一生付き合うことの出来る真の友人(同志)は、そんなにできるものではない。「いい人症候群」からは脱皮することだ。
 保護者の中にも、この「いい人症候群」に掛かっている人が多い。例えば我が子が学校でいじめられていることが発覚した時、「あなた」はどんな対応をするだろうか。昨年発覚した「いじめ事件」でインタビューに応えた母親のセリフが象徴的だ。
 「学校には何度も対応をお願いしました。あの時、学校が適切な対応を採ってくれてさえいれば…」
 あくまで一般論として言うのだが、我が子の命に関わることを教師という他人に委ねてはいけない。どこかで、物分かりのいい常識的な保護者と思われたい願望がその邪魔をする。「子供の命は、自分が命懸けで守る覚悟」を持つことだ。「誰かが必ず守ってくれる」と確信する子供は、絶対に死を選択しない。「死」は誰からも孤立した究極の孤独の向こうからやってくるのだ。

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